院長コラム

ヘバーデン結節・ブシャール結節に似た手指の病気

2024.04.30
ヘバーデン結節とブシャール結節

4月から始めたヘバーデン結節・ブシャール結節のオンライン診察は、開始早々からご予約をいただきました。
これまでにオンラインで診察した患者さんは遠方に住む方で、当コラムをきっかけに受診されたようです。
オンライン診察の方に限りませんが、ヘバーデン結節で当院を受診されるのは、概してリテラシーの高い方が多い印象です。
おそらく、ご自身でいろいろとお調べになっているのだと思います。

ヘバーデン結節については、ネット上にさまざまな情報があり、当コラムでもヘバーデン結節については度々書いていますが、それらが全てではありません。
なので、診察の時にはこの病気について患者さんに詳しくお話ししています。

ヘバーデン結節以外の病気の可能性
初診の患者さんの中には、ご自身で「ヘバーデン結節かな」と思っていたら、じつは違う病気だったということもあります。
逆に、他の病気と思って受診したら、ヘバーデン結節だったという場合もあります。
さまざまな手指の疾患については、これまでに当コラムでも取り上げてきましたが、中にはヘバーデン結節と似た症状のものもあります。
ここではこれらの病気について、症状やその特徴を記載しますが、詳しく知りたい方は、過去の記事をご参照ください。


⚫︎関節リウマチ
免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気で、30〜50代の女性に多く発症します。
リウマチの炎症が続くことで関節の破壊が進み、変形や機能障害を引き起こします。
ヘバーデン結節とは違い、関節リウマチは手指に限らず体のあらゆる関節に痛みや腫れが出ます。
両側対称性に症状が出やすいこともその特徴です。
関節リウマチとへバーデン結節の見分け方



⚫︎手指管症候群しゅこんかんしょうこうぐん
手首から手の指先へ通っている正中神経が圧迫されることで、手の指に痛みやしびれ、こわばりが生じる疾患です。
女性に多く発症し、初期には人さし指、中指にしびれや痛みが生じ、最終的には親指から薬指の片側の3本半の指に症状が現れます。
症状が悪化すると、箸を使う、ボタンをかける、細かいものをつまむといった日常的な動作が難しくなります。
女性に多い手のしびれ「手根管症候群」



⚫︎母指ぼしCM関節症
母指(親指)の付け根の関節に炎症や変形が起こる疾患で、加齢とともに増加します。
指の使い過ぎや老化が原因で、関節軟骨がすり減り、骨同士が直接当たることで痛みが発生。
痛みと同時に、物をつまむ、ビンのふたを開けるなどの動作が困難になります。
症状が悪化すると、関節が腫れ、亜脱臼が起き、母指が変形してきます。
親指の付け根に痛み 「母指CM関節症」



⚫︎ばね指(弾発指だんばつし
指の腱鞘炎のことで、親指、中指、薬指に多くみられ、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。
進行すると、バネ現象(指がカクカクする)が起こり、さらに悪化すると指が動かない状態になります。
カクカクする部分は、指の第2関節(親指は第1関節)に多いですが、炎症が起きているのは指の付け根の部分です。
更年期の女性に多い「ばね指」



これらの病気は原因が異なり、それぞれに合った治療が必要です。

病気の鑑別は医師でなければ難しく、判断を誤ったり放置したりすると病気を悪化させるおそれがあります。
ヘバーデン結節・ブシャール結節以外の病気の可能性も含めて、早めに整形外科を受診することをおすすめします。

当院のヘバーデン結節・ブシャール結節のオンライン診察は、初診の方でも受診が可能です。(他院ですでに「ヘバーデン結節」と診断を受けて、過去の診療録や診療情報提供書などがある方は、事前にお知らせください。)

ヘバーデン結節・ブシャール結節は、遠方に住んでいても、オンライン診察で診断と治療が可能な病気です。
「このくらいの痛みで」と思わずに、手に痛みや違和感を自覚した段階で、ためらわずにご相談ください。

指が変形してしまう前に、根本治療に取り組みましょう!

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