院長コラム

ヘバーデン結節にコーヒーは禁物?

2024.05.09
ヘバーデン結節とブシャール結節

当院には、ヘバーデン結節の患者さんが毎日1〜3人くらい来院されます。
このコラムがきっかけで来院患者さんが増えていることもありますが、やはりヘバーデン結節の患者さんの数自体が増えているようです。
では、なぜ増えているのか? その背景には少なからず食生活による影響があると思われます。
今回は「ヘバーデン結節と食べ物の関係」について解説します。

医学的根拠はないコーヒーとヘバーデン結節の関係
最近、「コーヒーをよく飲む人はへバーデン結節になりやすい」という情報をネット上で見かけます。
コーヒー好きの方の中には、気になっている人もいるかもしれません。
結論から言うと、今の時点でこうした説に医学的根拠はないようです。
私がこれまでたくさんの患者さんを診てきた経験からも、コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料とヘバーデン結節には因果関係がないように思われます。
なので、コーヒーを飲むことに対して不安に思う必要はないでしょう(安心しましたか?)。
それよりも食生活の変化がヘバーデン結節の増加に関係していると考えられます。
さて、どういうことかご説明します。

増加の背景には食生活の変化が影響?!
ヘバーデン結節の発症原因として、女性の場合は更年期にホルモンバランスが不安定になることが挙げられます。
そのため、予防・改善には、エストロゲンの働きを補う成分を含む大豆食品を日常的に取ることが大切です。
大豆食品には「エクオール」と呼ばれる、女性のホルモンバランスを整える働きのある健康成分が含まれており、これは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されることで作られます。
一汁三菜を基本とする和食では、納豆や豆腐などの大豆食品がしばしば食卓に並びます。
一方、洋食には大豆を使った料理はあまり見られません。
大豆食品は日本人にとってなじみの深い食べ物ですが、50代以上の世代が子どもの頃から日常的に取っているのに対し、40代以下の世代は摂取量が少なくなっています。
つまり、ヘバーデン結節の患者数増加の背景には、こうした食の欧米化があると考えられます。
洋食がいけないというわけではなく、大豆を食べる習慣がなくなってしまったことが問題なのです。


1日の目安量は納豆1パック
では、1日に大豆食品をどのくらいの量を食べたら、ヘバーデン結節の予防に効果があるのか。
1日あたりのエクオール摂取量の目安は、10mgと言われています。
分かりやすく各食品の量に換算すると次の通りです。

エクオール10mg
=納豆 1パック(50g)
=豆腐 2/3丁(200g)
=豆乳 1杯(200ml)

気を付けたいのは、これらの食品を日常的に食べること。
というのも、エクオールは体内にとどめておくことができず、だいたい1日くらいで排出されてしまうからです。
そのため、一度にたくさん食べても効果は持続しないのです。

また、大豆を食べていればヘバーデン結節にならないかというと、そうとは限りません。
なぜならば、大豆からエクオールを産生できる人ばかりではないからです。
統計によると、日本人の場合、体内でエクオールを作れるのは2人に1人と言われています。
つまり、半分の人はエクオールを作れない。
特に、若年層では2割の人しか産生できないとの報告もあります。


足りない栄養はサプリメントで補う

以上見てきたように、ヘバーデン結節の予防には、若い頃から意識して大豆食品を取ることが大切です。
しかし、毎日欠かさず大豆食品を食べるのは難しい、あるいは、体質的にエクオールを作れないという人は、サプリメントでの補充が有効かつ効率的です。
当院でのヘバーデン結節の治療にも、エクオールを直接取れるサプリメントを使用しています。
これと併せて、ビタミン剤などの別のサプリメントを取ることで改善が期待できます。

以上をまとめると、ヘバーデン結節で食べてはいけないものはないが、取るべき食べ物はあるということ。
ネット上にはさまざまな情報がありますが、正しい知識を身に付けて、予防・改善に取り組みたいものです。
ヘバーデン結節は、自覚症状がある時点ですでに進行しています。
指が曲がって悲しい思いをする前に、一度当院にご相談ください。
遠方にお住まいの方や忙しくて病院に行く時間がないという方は、当院のオンライン診察をご利用ください。
一日でも早く日常生活に戻れるよう、全力でサポートします。
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