お知らせ

長野市民新聞に腰痛に関する記事を寄稿しました

2024.08.15
お知らせ

長野県医師会からの依頼で長野市民新聞に記事を寄稿しました。

記事の内容を掲載しますのでご覧ください。
今回は腰痛症に関する内容となっていますが、実は他の病態も潜んでいるケースがあります、血液検査などの検査を経て他の専門医への受診を勧めることがあります。

また骨密度検査については男女問わず50代になりましたら一度状態確認のためにもお勧めいたします。

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腰痛症について

腰痛症とは、腰やその周囲に痛みが生じる病気のことです。
「ぎっくり腰」のように物を持ち上げる動作や、腰をひねる動作などによって急激な痛みが4週程度続く、急性腰痛症について詳しくお話ししたいと思います。

2022年の国民生活基礎調査において自覚症状のある病気の中では腰痛が男女ともに第1位となっており、日本人の90%が一生に一度は腹痛を経験すると言われています。
急性腰痛症の発症原因は多岐にわたり、脊椎や神経などに起因する場合もあれば、泌尿器疾患や婦人科疾患、帯状疱疹、腹部大動脈瘤、心因性など腰部と直接関連性のない原因もあります。
具体的には腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折、分離すべり症などが挙げられます。

検査は腰椎や腰椎板の状態を把握するためにはX線検査をしますが、神経の状態や骨の状態をより詳しく検査する場合にはCTやMRIなどが有用です。また感染症や骨粗鬆症による椎体圧迫骨折では血液検査なども行います。
治療方法は原因や痛みの程度によって異なりますが、痛み止めなどの薬物療法、神経周囲に局所麻酔薬を注入する硬膜外ブロックや神経ブロック、理学療法や運動療法もあります。重症例には手術加療が必要な場合もあります。

腰痛症はさまざまな原因によって引き起こされるため、予防法は多岐にわたります。まずは腰に過度の負担がかかる作業や動作を避けること、日頃から運動習慣をつけて適度な筋力や体幹の柔軟性を身につけることも大切です。

高齢者は骨粗鬆症検診を受けて必要であれば骨粗鬆症の治療を開始することが重要です。