院長コラム

ヘバーデン結節を悪化させる日常生活の動作とは?

2025.07.09
ヘバーデン結節とブシャール結節
整形外科の疾患

ヘバーデン結節はいまでは難治の病ではなく、適切な治療を行えば改善します。
しかし、症状が治まったと思っても油断は禁物。
なぜなら日常生活のちょっとした動作で、へバーデン結節を悪化させてしまうことがあるからです。
では、どんなことに気をつけたらよいのか、詳しく解説します。



気をつけたい日常動作

ヘバーデン結節を悪化させる可能性がある動作には、具体的に次のようなものがあります。


・日常的な家事
料理や食器洗い、掃除や洗濯など、日常的な家事では手指を多く使います。特に、スーパーの買い物袋のような重い物を持ったり、繰り返し同じ動作を行ったりすると、関節に負担がかかります。


・パソコンやスマートフォンの使用
長時間のタイピングやスクロールは、指関節に持続的な負担をかけます。特に、指先を使って素早く入力する場合、指の関節が何度も曲がるため、炎症を引き起こしやすくなります。


・スポーツ活動
ゴルフやバドミントンなど、手と指を使うスポーツも影響を与えることがあります。特に、ボールを投げたり打ったりする動作は、指関節に強い負担をかけます。
関連記事:ゴルフを楽しむ男性にヘバーデン結節が多いのはなぜ?


・楽器演奏
ピアノやギターなどの楽器を演奏する際には、指を頻繁に動かす必要があります。このような動作を繰り返すことで、指の関節に過度なストレスがかかり、ヘバーデン結節を悪化させることがあります。


・手工芸や細かい作業
編み物やパッチワークなどでは、指を細かく使うことが多いです。これらの活動では、指の関節が繰り返し動かされるため、痛みや腫れを引き起こす原因となることがあります。


・農作業
 シャベルやくわなどの農具を使う際には握力を使うため、手指に負担がかかります。特に、力を入れて土を掘ったり、作物を引っ張ったりする動作は、関節にストレスを与える原因になります。


手指に負担をかけないための工夫

これらの動作は日常生活の一部であり、避けることは難しいですが、作業の合間に休憩を取ったり、手のストレッチを行ったりすることで、指の負担を軽減できます。
当院に通うヘバーデン結節の患者さんには、買い物袋は手を使わずに肘や肩にかけるようにするなど、なるべく指に負担をかけないように気をつけていただくよう指導しています。
ヘバーデン結節を発症したことのある私の妻も荷物を肘にかけて運んだり、私が代わりに持ったりするなどして、今でも気をつけています。
ちなみに、妻の症状が悪化したのは、栗の皮むきをしている時でした。
こうした些細な動作で痛みや腫れがひどくなる可能性もあるので、家族の協力を得ながら、無理をしないよう気をつけたいものです。
また、痛みを感じた場合は、早めに対処することがヘバーデン結節の悪化を防ぐ助けになります。
手指の異常を感じたら、お気軽に当院にご相談ください。