長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、家事や育児などで起こる「肩こり」。慢性的な痛みに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回のコラムは、肩こりの予防や治療法についてお話します。
肩こりとは、病名ではなく症状です。僧帽筋 と呼ばれる首から背中にかけて広く張っている筋肉がこわばり、痛みを引き起こすことを指します。
人によって様々ですが、主に首から肩、背中にかけて、次の症状が挙げられます。
肩こりの症状
●重苦しく感じる
●痛くて動かせない
●じっとしていても痛い
●張っている感覚がある
症状の重い方だと、頭痛や吐き気を伴うこともあります。
肩こりの原因
ではなぜ僧帽筋 が原因で肩こりが起こるのでしょうか? それは筋肉の緊張が関係しています。
人間の頭は体重の10%程の重さがあります。たとえば体重50㎏の方だと、頭の重さは5㎏くらいあります。
そんな重たい頭を支えているのが、首と肩をつなぐ筋肉、僧帽筋なのです。
特に日本人は頭の大きさのわりに、首から肩の骨格や筋肉が華奢なため、肩こりを起こしやすいといわれています。
そのため、「同じ姿勢を長く続けている」「運動不足」「ストレス」「冷房にあたり続ける」などの要因で、筋肉が緊張し続けることで血管が収縮し、筋肉疲労を起こすのです。
また、血行不良になると筋肉に十分な酸素や栄養素が供給できなくなり、老廃物が排出されず、さらに筋肉が固くなり肩こりを起こします。
対策や肩こり解消に以下のことを心がけてみましょう。
● 正しい姿勢をとる
● こまめにストレッチをして血行を良くする
● 適度な運動をする
● 入浴などで身体を温めリラックスする
正しい姿勢とは、耳の穴・肩の中央・骨盤・くるぶしまで結んだ線が一直線になるような状態です。ですが、立ち姿や座り方は人それぞれクセがあり、正しい姿勢に戻すのが難しく感じるかもしれません。そういった方はこまめに首や肩の緊張をほぐすことをオススメします。
治療方法
肩こりが慢性化してしまうと痛みや違和感があっても、「相談するほどでもないな」と放置しがちです。あるいは、肩こりで病院に行くという発想自体がないかもしれません。でも、慢性的な肩こりは辛いですよね。そういった患者様には整形外科に来院いただき、次の治療をおすすめしています。
● マッサージ
● 温熱療法
● 運動療法
上記のほかにも、症状の重い方には薬や注射などの治療方法も行っています。
病院で行う治療は、マッサージのような気持ちよさはありませんが、肩こりに直接作用するので効果はてきめんです。
肩こりで来院された患者様からも「ずっと我慢してきたけれど相談してよかった」とお話ししてくださいました。
今回は「肩こり」にも治療法があるということをお話しさせていただきました。
普段から肩こりを防ぐことを意識することが大切ですが、凝り固まる前にお気軽に当院へご相談ください。