院長コラム

交通事故によるケガで、整形外科に行く理由

2023.07.18
整形外科の疾患

もうすぐ夏休みですね。これから旅行や外出する機会が多くなり、スポーツや交通事故でのケガが起こりやすい季節です。
交通事故でのケガで当院を受診する患者さんで時々いらっしゃるのが、「整骨院に通っていたけれど良くならないので診てほしい」という方です。
交通事故に遭ってしまった場合に、「整形外科と整骨院のどちらに行ったらよいか分からない」という方も多いと思います。
今回は「同じ痛みの改善」でも、実際は大きな違いがあるという事をお伝えします。

整形外科と整骨院の違い
①医療機関と柔道整復の施術所の違い
整形外科は医療機関(病院)ですが、整骨院は柔道整復による施術所です。まずこの点は大きな違いです。
整形外科ではレントゲンやエコー検査、薬の処方、ブロック注射などが受けられますが、整骨院は医療機関でないため、これらの医療行為を受けることができません。

②医師と柔道整復師の違い
整形外科は医師が診療を行います。一方、整骨院は柔道整復師が施術を行います。

③診断書の発行
診断書を発行できるのは医療機関だけです。そのため、交通事故の場合も、整骨院では診断書や後遺障害診断書を受けることができません。

交通事故に遭った場合は整形外科
整形外科と整骨院の違いを見てきたように、交通事故に遭った場合に、医療行為を受け、事故後の手続きに必要な診断書を受け取れるのは整形外科です。なので、交通事故に遭ってしまったら、まずは整形外科を受診しましょう。そして、大事なのは事故後すぐに受診することです。
交通事故の診察では、その症状が事故によって引き起こされたものかどうかがとても大切になります。
なので事故から数週間経ってからの受診になるとその判断ができなくなり、トラブルのもとになることもあります。
そのため診断書を発行するには、事故から間を空けずに受診してもらう必要があります。

交通事故によるケガで多い症状と事故後の治療
交通事故によるケガで特に多いのが、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群などのいわゆる「むち打ち症」です。首周辺の痛みや頭痛、吐き気、めまいなどの症状が出ます。
その他に、頭部外傷や脊髄損傷、肋骨や骨盤などの骨折もあります。
事故直後はそのショックで痛みや症状に気が付かなくても、後になって体に痛みやしびれが出てくることも考えられます。
むち打ち症などの場合は少し経ってから痛みが現れることも多く、治療が遅れると慢性的な痛みにつながり回復が遅れることもあります。
強い痛みや自覚症状がなくても、必ず整形外科で検査を受けましょう。

当院では、任意保険(自賠責保険など)を適用した事故による診察治療の場合、まずは3カ月間しっかり治療を行い、その後、精密検査をしていただければ6カ月までは治療を継続します。
事故の被害者の場合、医療費の自己負担なく治療を受けられます。


交通事故はいつどこで起こるか分かりません。もしも事故に遭ってしまった場合は、まずは整形外科を受診しましょう。
みなさんも交通事故やケガに気を付けて、楽しい夏休みをお過ごしください。