院長コラム

肩こりに悩む人に|原因と解消法

2024.02.20
整形外科の疾患

暦の上ではもう春ですが、まだまだ寒い日が続いていますね。
長野市若穂にある当院の周りには、先日積もった雪がまだ溶けずに残っています。
さて今回のテーマは、多くの方が悩まされる「肩こり」についてです。
冬の寒さで肩こりがひどくなったという方もいるかもしれません。
肩こりは病気ではありませんが、放っておくととてもつらいものですよね。
肩こりのメカニズムや原因、解消法についてわかりやすく解説していきます。

肩こりのメカニズムと原因
肩こりとは、肩や首周りの筋肉がこわばり、痛みや不快感のある状態のことです。
多くの場合は、姿勢や身体構造のバランスが崩れることで起こります。
悪い姿勢、運動不足、ストレスなどの原因で、首や肩の筋肉が緊張して硬くなると、血液の循環が悪くなります。
すると、疲労物質や老廃物が筋肉に蓄積されて、痛みやこわばりなどの不快な感覚を引き起こすのです。
成人の頭は 4〜6キロほどあり、ボウリングのボールと同じくらいの重さがあります。
これを頚椎や肩の筋肉で支えているのですが、姿勢が悪いと大きな負担がかかります。
特に、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋は、日常的で使われる頻度が高く、疲労がたまりやすい筋肉です。

肩こりの解消法
肩こりを予防・改善するためには、正しい姿勢を保ち、適度な休憩やストレッチを行うことが大切です。
仕事や勉強で長時間同じ姿勢でいることは避けられないにしても、意識して工夫をすることで肩こりは改善できます。
具体的な方法を見ていきましょう。

まず、日常生活で気を付けたいのが姿勢です。
パソコンやスマートフォンの使用時は、画面を目線の高さにして、肩や首に余計な力が入らないようにします。
デスクワークや運転時は、背筋を伸ばして肩甲骨を寄せるようにします。

次に、枕の高さや寝る姿勢も見直しましょう。
枕は、首が曲がったり反ったりと不自然な状態にならないように頭を支えられる高さのものを選んでください。
また、横向きやうつ伏せで寝ると肩や首に負担がかかりやすいので、仰向けで寝るのがおすすめです。

正しい姿勢を意識したら、今度は体操です。
肩や首の筋肉を動かすストレッチやエクササイズを日常的に行うことで、肩こりを予防・改善することができます。

ここでいくつかの方法を紹介します。
次の体操を行なえば、肩こりに関与する筋肉全体をほぐすことができます。
気軽に座ったままできるので、仕事や勉強の休憩時間などにぜひ習慣として行ってみてください。

⚫︎肩の上げ下げ
両肩を耳につけるように上げて、3秒ほど筋を収縮させたらストンと落とします。この動作を5回繰り返します。


⚫︎肩まわし
肩で円を描くように回します。前まわし、後ろまわしをそれぞれ5回程度ずつ行います。


⚫︎胸・腕伸ばし
両手を背中で組んで、腕を上に引き上げます。胸、腕の付け根が心地よく伸びている状態で30秒ほど続けます。


⚫︎脇腹伸ばし
頭の後ろで手を組み、体を横に倒します。上になっている方の肘を高くするように、そのまま30秒ほど伸ばし続けます。


⚫︎背伸び両手を上に伸ばして、指先で天井を押すように背伸びします。しばらく背伸びをした後に、腕を下ろして脱力します。これを数回繰り返します。



肩こりは、放置しておくと、頭痛やめまい、耳鳴りなどの症状を引き起こすことがあります。
また、頚椎疾患や頭蓋内疾患、高血圧症、眼疾患などの随伴症状として起こることも少なくありません。
肩こりがひどい場合や痛みや不快感が他の部位に広がる場合は、整形外科を受診してください。
当院では、肩こりの原因を診断し、適切な治療やアドバイスを行います。
肩こりでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。