院長コラム

「指がズキズキ痛む…」正確な診断のために、医師に伝えてほしいこと

2025.07.02
ヘバーデン結節とブシャール結節
整形外科の疾患

「指がズキズキ痛む」「手がこわばる」「手がしびれる」……。
手の症状を一つとっても、考えられる病気やけがはたくさんあります。
今回は、医療機関を受診するときに、私たち医師にどんな情報を伝えていただきたいかについてお話ししたいと思います。




受診時に医師に伝えること

しばしば、「指が痛みます」と言って受診する患者さんがいらっしゃいますが、これでは情報として十分ではありません。
正確な診断を行うためには、患者さんからの情報が大きな手がかりになります。
受診する前に、以下のポイントを整理しておいていただけると、診察がスムーズに進みます。


1. いつから痛いか
痛みが始まったのはいつなのか、具体的な日付や期間を教えてください。痛みが急に始まったのか、それとも徐々に感じるようになったのかによって、考えられる原因が大きく変わってくるからです。たとえば、急性の痛みは外的な要因(けがや事故)によるものであることが多いですが、慢性的な痛みは、使いすぎや関節の変性など、時間をかけて蓄積された問題が影響している可能性があります。


2. 思い当たる原因・外傷はあるか
 痛みの原因となるような出来事や外傷があったかどうかをお聞きします。最近、何か特別な運動をしたり、重いものを持ち上げたりしたことはありませんか?また、事故や転倒などの経験があれば教えてください。


3. どんな時に痛むか
痛みが発生する状況について詳しく教えてください。特定の動作や姿勢、あるいは特定の時間帯に痛みが強くなるなど。たとえば、指を使った作業をしているときや、寒い日に痛むことがあるかもしれません。


4. 痛みの程度
痛みの種類や強さは、症状を把握するための手がかりになります。具体的には、ズキズキする(脈打つような痛み)、鋭い痛み(突然襲ってくる激しい痛み)、鈍い痛み(持続的でじわじわと感じる痛み)などです。


5. 何回くらい痛いか
痛みの頻度について確認します。痛みが一日に何回起こるのか、または週にどのくらいの頻度で痛むのかを知ることは、症状の重症度や慢性化の可能性を評価する上で重要です。


6. どのくらい痛みが続くか
痛みが持続する時間について、数秒で治まるのか、それとも数時間続くのか、これも大切な情報です。痛みの続く時間がわかることで、痛みの性質を特定し、原因の推測が可能になります。


早期の受診で適切な診断と治療を

確認のために、当院では上記の質問を患者さんに2回聞くようにしています。
というのも、患者さんによってはご自身であまり細かく自覚できていなかったり、痛む場所の左右を間違えて伝えていたりすることがあるからです。
正確な診断と適切な治療を行うのが医師の役割ですが、そのためには患者さんの協力も必要です。
なので、何か気になることや心配なことがあれば、ぜひ遠慮せずにお話しください。
また、症状を悪化させないためには早期の受診が重要となります。
痛みは体からの大切なサインです。痛みやしびれにお悩みの方は、我慢せずに当院にお越しください。
あなたの健康を守るために、一緒に取り組んでいきましょう。