院長コラム

手首の甲などにできるこぶ状のしこり「ガングリオン」

2023.05.01
整形外科の疾患

手の甲にコブのしこりができ段々大きくなって
普段の生活に支障が出てきたため当院を受診した患者様ですが、
なんの病気なのか分からず、皮膚科→形成外科と病院を転々としたそうです。

こぶ状のしこりは、ガングリオンというゼリー状の物質が詰まった腫瘤かたまりで、腫瘍しゅようではありません。


大きさは、米粒大からピンポン玉大まで。手首の甲や足のくるぶしなどに多くでき、軟らかいものから硬いものまであります。
ガングリオンの診断は、触診と注射器を使って行います。腫瘤から吸引した内容物がゼリー状であればガングリオンと診断します。


ガングリオンができる仕組みは、関節液や腱・腱鞘の潤滑油である滑液がガングリオンの袋に送られ、濃縮してゼリー状になることで起こります。


若い女性に多くみられますが、はっきりとした発症原因は分かっていません。動かすと違和感はありますが、通常は無症状です。ただし神経のそばにできると神経を圧迫して、痛みやしびれ、運動麻痺などを起こすことがあります。手を使いすぎると、しこりが大きくなることもあります。


ガングリオンの場合は痛みがなければ問題ありませんが、他の病気の可能性も考えられるので、まずは整形外科を受診しましょう。
ガングリオンと分かって、心配ないと言われても見た目が気になるという方もいますよね。その場合は、ゼリー状の内容物を注射針で吸引・排出する方法があります。ただし再発することもあるので、繰り返すようであれば手術による摘出も検討します。


いずれにしても症状に気付いたら早めに受診するのが安心です。体にこぶ状のしこりができて気になるという方は、当院にお気軽にご相談ください。