院長コラム

ひざの痛みや炎症を抑える効果が期待できるヒアルロン酸注射

2023.04.24
整形外科の疾患

関節痛の初期治療によく用いられるヒアルロン酸注射。日本でも広く行われている治療法ですが、実際にどんな効果があるのでしょうか?その仕組みと効果をお話しします。


ヒアルロン酸とは、もともと体内に存在するねばねばした物質のこと。優れた保水力を持つ成分で、関節では潤滑油や衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。これが減ると、軟骨同士が擦れ合い痛みが生じます。

関節の痛みで一番多いのは変形性膝関節症、その他に肩関節周囲炎(五十肩)や関節リウマチなどがあります。変形性膝関節症は、膝関節が痛くなったり水が溜まったりする病気です。主な原因は加齢によるもので、年齢とともに体内のヒアルロン酸が減少することで起こります。早い方だと40代から発症します。

ヒアルロン酸の関節内注射は、体内の潤滑油を補うためのもので、次の効果が期待できます。
①関節の痛みの緩和
②炎症の抑制
③関節の動きの改善
④軟骨の磨耗の抑制



実施の頻度は、まずは週1回の間隔で連続して5回注射をします。その後、効果が認められれば継続して治療を行います。その後は痛みに応じて、2〜4週間に1回程度の頻度で行うことが一般的です。


「膝の注射はクセになる」なんて言葉を聞きますが、ヒアルロン酸の効果は一時的なため、一旦症状が軽快しても患部に負担をかけると症状が再発します。注射によって軟骨が再生するわけではないので対症療法の位置付けです。
ちなみに、関節は血流ではなく関節液によって栄養を受けているため、市販で見かける“飲むヒアルロン酸”はあまり効果が期待できません。
関節の変形の度合いが高くヒアルロン酸の注射で効果がなかったり、繰り返し注射をしても痛みが継続したりする時は、手術が必要なこともあります。
痛みの程度に関わらず、膝の痛みなどでお悩みの場合は早めに医師に相談しましょう。


※ヒアルロン酸の注射は保険診療で行えます。