秋に開催されていた運動会も、最近では春に行う学校が増えてきたようですね。当院のある長野市若穂の小学校でも、もうすぐ運動会があると聞きます。
さて今回は、運動会シーズンにちなんで、子どもに多いかかとの痛みについてお話しします。
先日、当院を受診した小学生の男の子は、「かかとが痛い!」とつま先で歩くようにして親御さんと来院しました。
X線検査では疲労骨折などの所見は認められず、次の症状から「シーバー病(踵骨骨端症)」と診断しました。
症状
● 歩行時に痛みがある。
● 指でかかとを押すと痛む。
● かかとの辺りが腫れている。
シーバー病は、サッカーや野球などのスポーツをしている小学生の男の子に多い、かかとの病気です。
原因
発育期の子どもは踵骨骨端部(かかとの骨の端っこ)が弱く、運動などで過度な負荷がかかることが原因で発生します。
アキレス腱の引っ張る力が持続的に加わることで踵骨の血流障害が生じ、踵骨骨端核の壊死や骨軟骨炎を起こします。
治療
以前コラムで紹介したオスグット病やテニス肘と同様、スポーツ障害の一種なので保存治療が基本です。そのため原因となっているスポーツを中止して、かかとの安静を保つことが大切とお話をしました。
無理をしなければ、だいたい1、2カ月で回復します。痛みの度合いによっては、湿布薬の処方や、サポーターなどで固定することもあります。
発症後も放置して運動を続けると重症化することもあるので注意が必要です。痛みや腫れがひどい場合は、ステロイド注射をすることもあります。
重症化してしまうと、症状が長引きスポーツの復帰も遅れますので、早めの受診と治療をおすすめします。
特にスポーツをしているお子さんが「かかとが痛い!」と言ったら、一過性の痛みや成長痛などと判断せずに、整形外科を受診しましょう。
これから運動会という学校も多いと思います。お子さんが安心して参加できると良いですね。