院長コラム

へバーデン結節①

2022.12.20
整形外科の疾患

2007年の開院以来、さまざまな症状でお悩みの患者さんが来院しています。

このコラムでは、知って役立つ、体にまつわる情報を更新していきます。

今回は、「へパーデン結節」についてご紹介します。

 

へパーデン結節とは?

へパーデン結節とは、手指の第一関節が腫れて熱感を伴って痛む病気です。

手指の第二関節が痛くなる「ブシャール結節」という病気もあります。どちらも病気を見つけた人の名前が付いているので病名は異なりますが、現在では同じ病気とされています。40歳代以降に発症し、圧倒的に更年期(閉経前後の10年間)の女性に多い病気です。

「原因不明、治療は対症療法」と教科書的には書かれていますが、これは全くもって整形外科医の勉強不足。へバーデン結節にははっきりした原因があり、治療方法もあります

「痛み止めを飲んで様子を見ましょう」では、一時的に緩和しても痛みは再発し、手指の第一関節は変形してしまいます。特に女性にとって、指の変形はとても辛いことですよね。

私もかつては「しばらくすれば痛みは止まるし、指は変形しますが一生痛むわけではありません」などと説明していました。その誤りに気付くきっかけになったのは 、妻がこの病気になった時のこと。同じ説明を妻にしたところ、「そんなのは治療じゃない、指が変形するのは嫌」と言われたからです。

以後、教科書的な知識をアップデートし、へバーデン結節の症状をしっかり抑えて変形を防ぐ治療に取り組んでいます。

 

へバーデン結節の原因

先ほど、この病気は圧倒的に更年期の女性に多いと書きました。では、なぜ更年期の女性に多く発症するのでしょうか?

更年期には閉経に伴い卵巣の働きが衰えて、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に低下します。エストロゲンの分泌が低下すると、エストロゲンによって調整されていた体のいろいろな機能がうまく働かなくなり、更年期障害と呼ばれる状態になります。へバーデン結節は、更年期障害の症状の一つと考えられています

まれではありますが、男性にもへバーデン結節は発症します。男性も更年期障害があると言われていますが、エストロゲンは分泌していないので不思議ですよね。じつはこれ、骨粗鬆症が関連していると推測されています。骨粗鬆症も更年期障害によって引き起こされる病気の一つです。