ここからは骨粗しょう症のお話を少し。
骨粗しょう症とは、骨代謝の異常により全身の骨が脆弱化して、ちょっとした外傷で骨折してしまう病気です。
骨代謝とは、骨が作られたり壊されたりしながら日々、新しいものに入れ替わることを意味します。骨粗しょう症にはいろいろなパターンがありますが、簡単に言うと、骨が壊されるスピードが作られるスピードよりも早くなることで骨が弱くなって起きるものです。
骨粗しょう症の患者が圧倒的に女性に多い理由は、男性に比べて最大骨量が少ないことと、閉経後のエストロゲン分泌量の急激な減少にあります。
エストロゲンには骨の形成を促し、骨の吸収(古い骨を壊す)を抑える働きがあり、これが減ると骨粗しょう症のリスクが高まるというわけです。
先述したように、へバーデン結節もエストロゲンの減少に起因するものであり、骨粗しょう症の中の部分的な症状であると推測されます。特に骨粗しょう症初期のまだ骨量が低下する前の状態の人に多く発症すると考えられます。そのため、へバーデン結節の女性の治療には、低下した女性ホルモンの補充をします。
当院の女性スタッフもこれでヘバーデン結節の症状が消失しました。ただし約半数の人はホルモンの補充を行っても症状が残存しています。私の妻もホルモンの補充だけでは治りませんでした。
ホルモン補充療法で効果のない方や男性のへバーデン結節には、ビタミン剤の補充療法を行います。これでほぼ全ての人のへバーデン結節を治療することができます。
当院では女性ホルモンの補充には、大塚製薬の「エクエル」を処方しております。
これは大豆から生み出される「エクオール(※)」という成分を効率よく摂れる食品です。エクオールのエストロゲン作用により、へバーデン結節の進行の抑制、更年期症状の緩和、骨粗しょう症の予防効果などが期待されます。
ビタミン剤の補充は人それぞれに必要な物が異なり、効果を上げるためには最適量の処方が必要です。
エクオールは保険対象外の自費診療ですが当院では市販のものより安価で提供しています。
効果を上げるために一緒に摂取して頂くビタミン剤(保険診療内)となるべく患者様のご負担の無いようにと思っております。
これまでお話ししてきたように、ヘバーデン結節にははっきりとした原因と治療方法があります。治らないと諦めずに、当院までお気軽にご相談ください。
※エクオールに関する詳しい説明は、コラムの「大豆とエクオールについて」をご覧ください。
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