当コラムでも何度か紹介しているヘバーデン結節。
女性ホルモンが関係していると以前お話ししました。
女性ホルモンは年齢とともに分泌が低下します。それは今も昔も変わりませんが、一方で、結婚後も仕事を続けたり、35歳以上の高齢出産が増えたりと、女性のライフスタイルは大きく変わりました。
今回のコラムでは、仕事と子育てを両立しなければならない大変な時期に、更年期を迎える女性に起こりやすい整形外科の病気とその対策についてお話しします。
女性の場合、ライフステージごとに女性ホルモンの分泌が変化します。
45歳から55歳前後の更年期では、卵巣機能の低下によって、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌も急速に低下します。そうすると、ホルモンバランスが崩れ、こころと身体に様々な不快な症状が起こりやすくなります。
不快な症状の中には、全身の関節や腱の周囲にある「滑膜」に影響が出ることがあります。腱や関節が腫れて痛む、こわばって動かしにくくなるなどの症状です。
これもエストロゲンの低下によって症状が出るということが分かっています。
次にあげる病気もエストロゲンの低下(更年期)で起きる病気とされています。
●へバーデン結節
●ばね指
●手根管症候群
●ドケルバン病
上の3つの病気は以前コラムで紹介しました。
ドケルバン病は手首の腱鞘炎の一つで、手首の母指側が痛み、腫れる病気です。母指を広げたり、動かしたりすると強い痛みが走ります。
更年期に関係するこれらの病気には症状の緩和を目的とする保存療法が一般的ですが、さらにエストロゲン様作用があるエクオールを摂取することで、病気の予防や症状の緩和につながると考えられています。
エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されて生まれる成分で、豆腐や納豆、おからなどの大豆食品に多く含まれています。ただし良好な腸内環境でないと、大豆イソフラボンをエクオールに変換ができません。
そのため、当院ではエクオールを直接摂れるサプリメントの処方も行っています。個人差はありますが、症状の改善や予防に効果が期待ができます。
「更年期だから仕方がない…」と諦めずに、早期の予防と症状の緩和に取り組み、自分らしく、前向きに過ごせる身体を一緒に整えていきましょう。
※エクオールを直接摂取できる大塚製薬の「エクエル」