院長コラム

腰や背中の痛み「骨粗鬆症こつそしょうしょうによる脊椎椎体骨折せきついついたいこっせつ

2023.11.21
整形外科の疾患

朝晩の冷え込みが厳しくなり、長野市はいよいよ冬本番という感じです。
寒くなると血流が悪くなり患部に痛みやしびれが出やすくなるので、体を冷やさないよう気を付けたいですね。
さて今回解説するのは、「骨粗鬆症こつそしょうしょうによる脊椎椎体骨折せきついついたいこっせつ」について。
腰や背中が痛むという高齢の方は、ひょっとするとこれが原因かもしれません。

骨粗鬆症こつそしょうしょうによるによる脊椎椎体骨折せきついついたいこっせつの症状・原因
骨粗鬆症については、以前にこのコラムでも紹介しました。
おさらいすると、骨粗鬆症とは骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気です。
高齢の女性に多く発症するのは、閉経によるエストロゲン(女性ホルモン)の低下で、骨代謝のバランスが崩れるためです。
骨の強度が低下した背骨が軽い外力でつぶれてしまう。これを「骨粗鬆症こつそしょうしょうによる脊椎椎体骨折せきついついたいこっせつ」と言います。
脊椎椎体骨折は骨粗鬆症に起因するものだけではく、転移性骨腫瘍による「病的椎体骨折ついたいこっせつ」や強い外力により生じる「外傷性椎体骨折ついたいこっせつ」(いわゆる圧迫骨折)などもあります。
高齢者に起こるものの多くは骨粗鬆症に起因するもので、ちょっとした尻もちや転倒などにより胸腰移行部きょうようついいこうぶ(みぞおちの裏辺り)の椎体ついたいに骨折が生じます。
こうした軽いけがによって起こるだけでなく、日常生活での動作中に気づかないうちに椎体骨折ついたいこっせつが生じている場合もあります。
症状としては、寝起きや立ち上がる動作の際に腰や背中に痛みを感じ、寝ている時など安静時にはあまり痛みを感じません。
見て分かる特徴としては、背中が丸くなり、身長が低くなることが挙げられます。


診断
問診と触診を行い、患者さんが高齢者で腰背部痛があれば、骨粗鬆症による脊椎椎体骨折の可能性を疑います。
併せて、X線(レントゲン)検査を行い、骨折の有無を確認します。
椎体骨折ついたいこっせつ部の粉砕や脊髄損傷のある場合は、より精密な診断が必要でCTやMRI検査を行います。
また、骨粗鬆症が疑われる場合は骨密度を測定します。

治療と予防
骨粗鬆症による脊椎椎体骨折は、保存的治療が基本です。
軽度の骨折の場合は、骨折部の変形を防ぐため、コルセットやギプスで外から固定して安静にします。
骨折の程度によっても異なりますが、だいたい3〜4週間で骨が形成され痛みも治まってきます。


圧迫骨折が高度であったり、骨折部の不安定性が強かったり、いつまでも痛みが消えない場合には、手術が必要になることがあります。

予防法としては、次のことが挙げられます。
⚫︎カルシウムやビタミンDなどの栄養を取って骨を丈夫にする
⚫︎背筋や腹筋を中心に体の筋肉を鍛える
⚫︎転倒しないようにバランスの訓練を行う

年を取っても元気な体でいられるためには、日頃からけがや病気の予防を意識し、体の異変に気付いたらできるだけ早く受診することが大切です。
「腰や背中に痛みがある」「最近背中が丸まってきた」など、気になることがありましたら、お気軽に当院にご相談ください。